- はじめに
ここ数年、「シェアリングエコノミー」という言葉を耳にする機会が増えました。
しかし、具体的に「シェアリングエコノミー」とは何か、どういったサービスがあるのか、説明できる人は意外と少ないものです。
この記事では、流行の「シェアリングエコノミー」の意味するところをあらためて確認していきたいと思います。
- 「シェアリングエコノミー」の意味
「シェア(Share)」は「共有する」、「エコノミー(Economy)」は「経済」という意味です。
これらを合わせた「シェアリングエコノミー」とは、使われていないモノや資産を複数人で共有することで有効活用し、新しい価値を生み出すことを指します。
例えば、車。
通勤には電車を使うから、土日しか車に乗らないという人もいるでしょう。
しかし、そうなると平日分の維持費や購入費がもったいないと思いませんか。
そこで、シェアリングエコノミーの考えを採用し、この人が平日だけ車を隣人に貸し出したとしましょう。隣人には、維持費の一部を負担してもらいます。
そうすると、隣人は駐車場を用意する必要もなく、安い費用で平日車を好きに使うことができます。
また、車の所有者も維持費の一部を負担してもらうという利益を得られます。
このように、シェアリングエコノミーは当事者双方に利益をもたらすことができます。
また、一つのモノを有効活用することは、無駄な買い物をなくすことに繋がるため、環境にも優しいといえるでしょう。
こうしたメリットの多いシェアリングエコノミーですが、全く新しい考えというわけではありません。
「シェアリングエコノミー」という言葉こそ使われていなかったものの、日本にも古くから、里山や入会地といったようなモノ(土地)の共同利用行為は存在しました。
スマートフォンなどの通信技術が進歩し、人と人とをつなげることが容易になったことが、近年のシェアリングエコノミー再評価の流れを作り出したといえるでしょう。
- 代表的なサービス
近年のシェアリングエコノミーの流行はアメリカの会社、Airbnbから始まったと言われています。
Airbnbは簡単に言うと、自分が使わない部屋を民泊として貸したい人と宿泊希望者とを仲介する会社です。
このようにモノ、スペースのシェアを仲介するサービス以外にも、労働力や資金のシェアを仲介するサービスがどんどん生まれています。
さらには、シェアリングエコノミーを利用する際の賠償保険のサービスなど、関連事業も拡大しています。
以下では、現在存在する代表的なシェアリングエコノミーのサービスを紹介していきます。
- モノのシェア
メルカリ(衣類等)、Fril(衣類等)、ブクマ!(書籍)、minnne(ハンドメイド作品)、など
- スペースのシェア
Airbnb(民泊)、Sheeps(会議室)、SpaceMarket(レンタルスペース)、軒先パーキング(駐車場)、など
- 移動のシェア
Uber(タクシー配車)、Lyft(相乗り)、など
- 労働力のシェア
AnyTimes(生活関連サービス)、TimeTicket(各種スキル)、タスカジ(家事代行)、Lancers(各種スキル)など
- 資金のシェア
Campfire(クラウドファンディング)、Ready for(クラウドファンディング)、Makuake(クラウドファンディング)、など
- さいごに
こうしたシェアリングエコノミーの市場は、今後もさらに拡大を続けると思われます。
2015年度には約285億円だった国内市場規模が、2020年までに600億円に拡大するとの予測もあるのです。
総務省HP:http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc112220.html
上手く使えば経費や時間の節約にも繋がるかもしれないシェアリングエコノミー、今後の展開に注目しておきたいものです。