1 はじめに
何かと話題のフリマアプリ。
とても簡単に売買ができるので、服や雑貨といった私物の処分に使っている人も多くいます。
しかし、事業としてフリマアプリで物を販売したいと考えたことがある人もいるのではないでしょうか。その場合、どのような法規制があるのかが気になりますね。
この記事では、フリマアプリで物を売る場合に気をつけるべき法規制について説明します。
2 特定商取引法による規制
●規制対象になる人
フリマアプリを使って事業として商品を売っている販売業者は、特定商取引法の規制対象となります。
ここで一つ注意。自分では「事業として」売っているつもりはなくても、客観的に見て販売業者に当てはまると判断されることもあるので気をつけましょう。
以下のいずれかに当てはまると、販売業者とみなされる可能性が高いです。
①過去1ヶ月に 200 点以上、または一時点において 100 点以上の商品を新しく出品している場合
(趣味のコレクション(アイドルグッズなど)を処分・交換する目的で出品する場合を除く)
②落札額の合計が過去1ヶ月の間で 100 万円以上になっている場合
(自動車、骨董品、ピアノ等の高額商品で、1点あたり100 万円以上になるものを売っていた場合は、同時に出品している他の物の種類や数量等をあわせて総合的に判断される)
③落札額の合計が過去1年間に 1,000 万円以上である場合
上記の①〜③に当てはまらない場合であっても、態様によっては販売業者だと判断されることもあります。
例えば、新しい家電を同時に複数販売している場合などです。
●規制の内容
販売業者に当てはまる場合は、商品を紹介する広告に以下の情報を記載しなければなりません。
①販売業者の氏名又は名称、住所及び電話番号
②販売業者の代表者又は通信販売に関する業務の責任者の氏名(販売業者が法人の場合)
③申込みの有効期限があるときは、その期限
④代金以外に購入者が負担すべき金銭があるときは、その内容及びその額
⑤商品に欠陥があった場合の販売業者の責任について規定があるときは、その内容
⑥DVDやCDなど、電子情報を記録した商品を売る場合は、その商品を利用するために必要な機器の仕様・性能その他の必要な条件
⑦商品の売買契約を2回以上継続して締結する必要があるときは、その旨及び金額、契約期間その他の販売条件
⑧④~⑦のほか、商品の販売数量の制限その他の提供条件があるときは、その内容
⑨広告の表示事項の一部を表示しない場合であって、商品の詳細な情報を記載した書面を請求した者にその書面にかかるコストを負担させるときは、その額
⑩承諾を得てメール広告を送るときは、販売業者のメールアドレス
その他、誇大広告の禁止や、承諾していない人に対するメール広告・ファクシミリ広告の送りつけの禁止など、常識的な内容も定められています。
3 古物営業法による規制
●規制対象になる人
以下のような態様で物を売る場合には、古物営業法の規制対象となります。
①古物を買い取って、そのまま又は修理して売る。
②古物を買い取って、その部品を売る。
ただし、自分で使っていた物を売る場合については許可不要です。
また、タダでもらった物を売る場合にも許可は不要です。
●規制の内容
規制対象になる場合は、その物を売る前に、古物営業法に定められている古物商許可を取得する必要があります。
許可を取得するためには、警察署で許可申請書類をもらってこれに記入しなければなりません。他にも住民票や身分証明書など添付書類を集めなければならないので早めの準備を心がけましょう。
全ての提出書類を揃えて警察署に提出したら、許可申請は完了です。
申請受理後、40~60日後に許可が下ります(または申請が拒否されます)。
4 さいごに
個人的に不要品を売るという使い方であれば、上記の内容は気にしなくても良いでしょう。
しかし、「もしかしたら規制対象になるかも?」と思った場合は、早めに行政書士に相談しましょう。
気がつかないうちに法律に反していたということは避けたいものです。