1 はじめに
何かと話題の仮想通貨。これから仮想通貨に関するビジネスを始めようと考えている人もいることでしょう。
しかし、「仮想通貨交換業」を営むためには内閣総理大臣の登録を受けなければなりません。
登録なしで仮想通貨交換業を行ってしまうと罰則(3年以下の懲役もしくは300万円以下の罰金、またはその両方)の対象となります。
この記事では、どのようなビジネスが「仮想通貨交換業」に当たるのか、また、登録の申請はどのように行うのかを説明していきます。
2 「仮想通貨交換業」とは?
仮想通貨交換業とは、簡単に言うと、
ビットコインなどの仮想通貨の売買・交換や、その媒介・取次・代理をビジネスとして行うこと
です。
資産を増やす目的で個人的に仮想通貨の売買を行っている場合は「ビジネスとして」仮想通貨を売買していることになりませんので、仮想通貨交換業には当たりません。
よって、この場合は登録不要ということになります。
3 登録の方法
では仮想通貨交換業の登録を受けるには、どうすればよいのでしょうか。
この登録申請は大きくわけて2ステップになります。
最初のステップの事前相談と、次のステップの登録申請です。
●事前相談
登録を希望する人は、まず管轄の財務局で事前相談をすることになります。
まずは電話して登録したい旨を伝えると、この段階で準備すべき書面を教えてもらえます。そして後日、その書面を用いて担当者と対面で面談することになるのです。
この面談では、取り扱う予定の仮想通貨の概要や、サービスの概要、業務体制などについて説明することになります。
この事前相談には3~4ヶ月ほどかかると思っておいたほうが良いでしょう。
●登録申請
事前相談の面談が終わり、開始しようと思っているサービスが仮想通貨交換業に該当すると判断されると、本申請の書類の書き方の見本をもらえます。
これを見ながら登録申請書のドラフトを作成するのですが、まだ本申請というわけではありません。
まずは事前審査として、申請書のドラフトの内容に不備がないかどうかの確認や、会社の社内体制が基準を満たしているかどうか(仮想通貨について利用者に説明できる体制が整っているか、システムリスク管理はきちんとできるのか、等)の確認が行われます。
この事前審査をクリアしてようやく、本申請として申請書等の書類を提出することができます。
この登録申請の審査には全部で1~2ヶ月ほど要することが多いようです。
4 さいごに
事前相談や事前審査、そして本申請で準備しなければならない書類は申請書だけではありません。20種類近くの書類を不備なく用意し、提出しなければならないのです。
その中にはもちろん、記載するのに時間がかかるものや、役所に行って取得しなければならないものも含まれます。
書類を揃えるだけでもかなりの時間がかかるのです。
また、流行の仮想通貨ですから、登録申請者も増えて手続の窓口が混雑していることも予想されます。
登録を考えている場合、まずは金融庁の公開している仮想通貨に関する「事務ガイドライン」をよく読み、理解を深めて周到に準備してから臨みましょう。