新東京行政書士事務所Blog

株式会社の機関設計

 

1 はじめに

日本で一番メジャーな会社形態といえば株式会社です。

新しく設立する会社の形態を選ぶ場合にも、株式会社が第一候補として挙がってくるでしょう。

しかし、株式会社の機関設計については法律が一定の制限を設けていることをご存知でしょうか。

 

2 株式会社の機関一覧

まず、株式会社にどういった機関があるのか、またどういった場合にその機関を設置することが強制されるのかを見てみます。

(とりあえずここでは、「委員会設置会社」以外の株式会社の機関を対象とします。)

・ 株主総会

株主が集まって重要事項に関する決定を行う機関です。全ての株式会社は、株主総会を設置しなければなりません。

・ 取締役

会社の業務執行を行う機関です。全ての株式会社は、取締役を設置しなければなりません。

・ 取締役会

取締役が集まって業務執行についての意思決定を行う機関です。公開会社および監査役会設置会社は、取締役会を設置しなければなりません。

・ 監査役

取締役の業務執行を監査する機関です。取締役会を設置する会社および会計監査人を設置する会社は、監査役を置かなければなりません。

例外として、公開会社でない取締役会設置会社は監査役の代わりに会計参与を置くこともできます

・ 監査役会

監査役の職務執行に関する意思決定を行う機関です。大会社かつ公開会社は、監査役会を設置しなければなりません。

・ 会計参与

取締役と共同して計算書類の作成を行い、会計参与報告書を作成する機関です。公開会社でない取締役会設置会社は、監査役を置かないときは会計参与を置かなければなりません。

・ 会計監査人

会社の計算書類などを会計監査する機関です。大会社は会計監査人を置かなければなりません。

 

※「公開会社」とは、譲渡制限株式が全株式の一部に限られるか、全ての株式に譲渡制限が無い会社のことです。

 

3 禁止される組み合わせ

上に挙げた機関は、基本的に強制されなくても置く事ができます。

しかし、取締役会を置かない場合には、監査役会を置くことができないという例外があります

取締役会を置かないのに監査役会を置きたいと考える人はほとんどいないはずですが、注意しておいてください。

 

4 よくある機関設計

いろんなパターンがあることがわかったかと思いますが、株式会社の多くはいくつかの代表的な機関設計を採用しています。次の4パターンが代表的な機関設計です。

①全ての機関を備えている会社(上場会社等はこのパターンがほとんど)

②従来の有限会社に相当する会社には、取締役しかいないものがあります。(社員と業務執行者がほぼ同一)

③取締役会はあるが監査役会はない会社(資本金数億程度の会社に多い)

④委員会設置会社

委員会設置会社については以下の項目で説明します。

 

5 委員会設置会社という選択肢

すでに何度か名称が出て来ましたが、「委員会設置会社」というタイプの株式会社もあります。

これは世界の潮流に合わせて作られた会社の仕組みで、取締役会の中に指名委員会、監査委員会そして報酬委員会の3つの委員会を置きます。さらに、業務の執行を行う執行役を置くことになります。

委員会設置会社の取締役会は普通の株式会社と異なり業務の監督を中心に行い、原則として業務執行は行いません。

また監査役は設置できず、監査委員会が業務執行を監査します。

一方で、委員会設置会社は会計監査人をおかなければなりません。

委員会設置会社は近年日本でも増加しています。機関設計の一つの選択肢として考えてみる価値があるかもしれません。

 

6 さいごに

株式会社の機関設計には多くのパターンがある上、強制的に置かなければならない機関や置いてはいけない機関などもあって、考え出すと混乱してしまう人が多いかと思います。

また、最近では監査等委員会設置会社もあります(詳しくは次の機会にご説明します。)。

自分が設立しようとしている会社にはどのような機関設計が相応しいのか、迷った場合は一度行政書士までご相談ください。

2018/11/07 法務  
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