1 はじめに
先日、ついに入管法の改正案が閣議決定されました。
どういった内容で閣議決定されたのか、また現段階でどのように運用される予定になっているのか、その概要をまとめます。
2 在留資格の新設
改正案では、新しく以下の2つの在留資格を新設するとしています。
①特定技能1号
一定の知識や経験など一定の技能を必要とする業種に就くことが条件の在留資格です。
業界ごとに「技能」試験と「日本語」試験を実施して、両方に合格した場合に在留資格が与えられる予定です。
「技能」の試験では、各業種で即戦力として働ける知識や経験の有無を確認します。
在留期限は通算5年で、14業種(外食業、宿泊業、介護行、ビルクリーニング業、農業、漁業、飲食料品製造業、素形材産業、産業機械製造業、電子・電気機器関連産業、建設業、造船・舶用工業、自動車整備業、航空業)を対象としています。
また、試験を受けなくても、技能実習を修了することで試験合格と同等の資格が与えられることになるため、特定技能1号の在留資格を得る外国人は、現行制度の技能実習を修了した実習生が多くなると考えられています。
「日本語」の試験は、基本的な日本語が理解できる程度(日本語能力検定試験のN4程度)の能力があれば合格となります。
②特定技能2号
特定技能1号より熟練した技能を有する人に認められる在留資格です。
この「熟練した技能」の有無も、業界ごとに作成される試験で確認されます。
対象業種が限定されており、現段階では専門技能が必要な建設業と造船・舶用工業の2業種のみが対象になる運びとなっています。
1号と異なり、一定の条件を満たせば日本に永住できる可能性があります。また、2号の場合は在留資格を有する本人だけでなくその家族も帯同できるようになる予定です。
3 予定されている受け入れ外国人数
在留資格増設によって見込まれる受け入れ外国人数は、2019年からの5年間で約26~34万人と試算されています。
政府は上限を34万5150人として準用するとしていますが、この数字の根拠をハッキリするよう野党から求められているところです。
業種別では、介護業が5年間で5万~6万人(初年度5000人)、建設業が最大で4万人(初年度5000人~6000人)、農業が1万8000人~3万6500人(初年度最大で7300人)、そして外食業が最大5万3000人(初年度最大で5000人)とされています。
4 さいごに
まだどのように運用されるのか詰められていない部分もあります。
今後も入管法改正に関する動きからは目を離さないようにしましょう。