新東京行政書士事務所Blog

ヤミ残業(サービス残業)を見逃すな!企業は正確な残業時間を把握することが重要

はじめに―ヤミ残業は深刻な問題を引き起こす―

我国ではヤミ残業(サービス残業)が横行しています。
経営者は、ヤミ残業が経営上の重大な問題であることをはっきり認識する必要があります。強行法規違反となり、行政上、民事上の責任も厳しく問われます。何よりも会社の風土を損ない、生産性向上をも妨げかねないのです。

働き方改革法の厳しい規制はなぜ設けられたのか。

働き方改革法の中で罰則付き時間外上限規制が導入されたのはなぜか。過労死・過労自殺など労働者の命と健康を損なう働き方が蔓延していたからです。端的に言えば「国家として死ぬような働き方は許さない」という厳しい姿勢が示されたのです。ヤミ残業は刑事罰逃れの犯罪行為にさえなりかねないのです。
さらに、労働時間の適正把握義務が法律上明確化されました。管理監督者や裁量労働適用者も対象となります(改正後の労働安全衛生法 66 条の8の3)。割増賃金の支払いという観点だけでなく、労働者の健康確保という観点で厳しい規制になったのです。

 

未払残業代がもたらす大きなリスク

労働者から未払残業代を請求される事件も相次いでいます。平成29年度労働基準監督署の監督指導では、百万円以上の不払い1870企業、企業あたり平均24百万円。対象労働者20万人、1人当たり22万円などとなっています。民事訴訟や労働審判等で未払残業代の事例も数多いこと、上場時やM & Aの労務監査でも未払残業代が一番厳しく問われていることにも注意すべきです。

 

ヤミ残業は会社を腐らせる

何よりもヤミ残業は、事実の正確な把握と報告というビジネスの基本を損なう行為です。労働時間の実態把握は、職場の人員配置、業務効率などの判断に欠かせない経営情報です。生産性向上のためにも、労働時間という貴重な経営資源がどのように使われているか正確に把握する必要があります。虚偽報告は経営判断を誤らせます。中にはヤミ残業を「会社への忠誠心の表れ」と考える社員もいるようですが、効率よく仕事をしているかのように経営者をだましているにすぎません。ヤミ残業を許すのは嘘を許すことです。不正の温床にもなりかねないのです。

 

労働時間の適正把握のために

 労働時間の適正把握のためには、厚生労働省の「労働時間の適正な把握のために使用者が講ずべき措置に関するガイドライン」を参照してください。ポイントは次の通りです。

  1. 労働時間は使用者の指揮命令下に置かれている時間であり、例えば、業務上義務付けられている研修も該当します。
  2. 労働時間の状況の把握は、タイムカードによる記録、PC等の使用時間の記録等の客観的な方法や使用者による現認が原則です。やむを得ず自己申告による場合には厳格な措置が必要です。
  3. 事業者は、労働時間の状況の記録を作成し、3年間保存する必要があります。

以上
 

2019/01/16 人事   auter_1
< 前の記事     一覧へ     後の記事 >

ブログカレンダー

8月 2020年9月 10月
  12345
6789101112
13141516171819
20212223242526
27282930

カテゴリー一覧