新東京行政書士事務所Blog

値引きや表示方法にもルールあり!景表法/景品表示法に違反しないよう注意しよう!

景品表示法という法律をご存知でしょうか?

ウェブなどで消費者向けのビジネスをしている方は、必ず知っておくべき法律です。

この法律は、かんたんにいうと広告内容やキャンペーンを規制している法律なのですが、どのような内容で、具体的には何に気をつければよいのでしょうか?

この記事では、知っておきたい景表法の概要をご説明します。

景表法とは

景表法の正式な法律名は、不当景品類及び不当表示防止法といいます。

その名の通り、不当なおまけのあげすぎで強引に消費者を勧誘したり、事実ではないおとり広告や誇大広告で消費者を騙したりする行為を禁止し、消費者を守って安心安全な経済社会を作るための法律です。

消費者を守るための法律ですので、消費者庁という行政庁が管轄しており、消費者センターなどで苦情を受け付けています。

景表法の詳細について徹底解説!

景表法の条文により、事業者に禁止している事項は以下の通りです。

第五条  事業者は、自己の供給する商品又は役務の取引について、次の各号のいずれかに該当する表示をしてはならない。

一  商品又は役務の品質、規格その他の内容について、一般消費者に対し、実際のものよりも著しく優良であると示し、又は事実に相違して当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも著しく優良であると示す表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

二  商品又は役務の価格その他の取引条件について、実際のもの又は当該事業者と同種若しくは類似の商品若しくは役務を供給している他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの

三  前二号に掲げるもののほか、商品又は役務の取引に関する事項について一般消費者に誤認されるおそれがある表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認めて内閣総理大臣が指定するもの

法律のままだと難しくてよくわからないと思われるかもしれませんが、まとめると2つの禁止事項にわかれます。

 

不当表示の禁止

まず1つ目は、うそや誇張した広告を禁止する不当表示の禁止です。

不当表示はさらに、3つに分かれます。

1つ目は優良誤認表示の禁止です。

商品やサービスを実際よりも良く見せようとする広告内容を禁止します。

例えば、Webサイト上の青汁の広告で「おいしく飲んでスリムボディに!」、「149種類の酵素で燃焼する体に」、「燃えやすい体を作り、肌の新陳代謝も促す」等と表示した事例があります。

この事例では、特段の運動や食事制限をしなくてもこの青汁を飲むだけで簡単に痩せることができるかのような表示をしている点が優良誤認表示に当たると判断され、摘発されました。

実際には毎日の食事に置き換えて摂取カロリーを抑えるという食事制限によるダイエット効果を促すことを目的とした商品であり、飲むだけで痩せるような成分が入った商品ではありませんでした。

そのため、上記の広告表示は実際の商品やサービスよりも著しく優良であると誤認させる表示にあたります。

他にも、優良誤認表示にあたる広告表示として以下のようなものがあげられます。

・海外産の商品なのに「日本国産」と表示する

・国産牛肉であっても有名ブランドを偽って表示する

・10万㎞走行した中古車なのに「走行距離3万㎞」と表示する

・コピー用紙の古紙配合率が50%なのに「古紙100%」と表示する

・適正な調査をせず「合格実績」「リピート率」「顧客満足度」などを表示する

参照:

消費者庁ニュースリリース

消費者庁 事例でわかる景品表示法

 

2つ目は、有利誤認表示の禁止です。

取引の条件を偽って有利に見せるような表示です。

例えば、上記でご紹介した青汁のウェブ広告では、「初回 ¥680コース※税抜」、「毎月先着300名様限定」、「毎月300名様に達しましたら終了とさせていただきます。」などと表示していました。

毎月300名限定でこの青汁を有利な条件で定期購入できるかのような表示がされていましたが、実際には新規定期購入者の人数に制限はなく、毎月300名を著しく超える人数が定期購入をしていました。

そのため、この広告表示は商品やサービスの価格や取引条件などについて実際よりも著しく有利であると誤認させるものであり、有利誤認表示にあたるとして摘発されました。

他にも、通販サイトでのおせち料理の広告で「通常価格」と「歳末特別価格」が表示されていたところ、「通常価格」では相当長期間にわたって販売された実績がないのに「歳末特別価格」と称して通常の販売価格より著しく安く購入できるかのような表示をしていた事例があります。

この事例では、「歳末特別価格」が実質的な通常価格として通用していたため、この広告は商品の価格が実際よりも著しく安いと誤認させるものであり、有利誤認表示に当たるとして摘発されました。

他にも、有利誤認表示にあたる広告表示としては以下のようなものがあげられます。

・他社商品と同程度の内容量しかないのに「他社の2倍」と表示する

・適正な比較による根拠なく自社商品を「業界最安値」と表示する

・競合店の平均価格を実際より高く設定してから値引きした価格を表示する

・現存しないメーカー希望小売価格を表示する

・バラ売りと同じ価格なのにセット割引価格として表示する


3つ目は、キャッチオールとして、その他誤解されるおそれのある表示となります。

これについては、あらゆる商品やサービスの取引における広告表示を画一的に制限することは困難であることから、消費者庁の主任大臣である内閣総理大臣が禁止事項を指定(告示)することができることになっています。

現在、以下の6つの告示があり、これらに関する不当表示が景表法違反となります。

 

①無果汁の清涼飲料水等についての表示

 無果汁なのに無果汁であることを明示しないで果実名を用いた商品名をつけたり、果実の絵や写真をラベルなどに用いたりすると不当表示となります。

 なお、無果汁なのに果汁入りと表示したり、果汁の割合(%)を偽って表示することは「優良誤認表示」となります。

②商品の原産国に関する不当な表示

 一般消費者からみて原産国がどこであるのかわかりにくい状態において、原産国以外の国名などを表示したりすると不当表示となります。

③消費者信用の融資費用に関する不当な表示

 実質年率を明示せずに利息や手数料その他の融資費用の金額を表示したり、1日あたり、1ヶ月あたりの利率のみを表示したりすると不当表示となります。

④不動産のおとり広告に関する表示

 消費者を誘引するために、実在しない物件や、実在していても売約済みの物件などを表示すると不当表示となります。

⑤おとり広告に関する表示

 商品の在庫やサービスの定員が少量に限定されているのにその旨を明示しないなどの広告表示を一般消費者の誘引のための手段として行うと不当表示となります。

⑥有料老人ホームに関連の不当な表示

 入居後の居室の住み替えに関する条件等が明示されていなかったり、介護職員等の数が明示されていないなどの広告表示は不当表示となります。

実際に摘発された事例としては、スーパーマーケットで販売したサザエについて、実際は韓国産なのに、事前に配布された新聞折り込みチラシに「<島根県産他国内産>活サザエ貝」等と記載していたことで景表法違反とされたものがあります。

この事例のチラシは原産国(韓国)以外の国名(日本)を表示することで不当に顧客を誘引するものであり、そのチラシを見た一般消費者は国内産であると誤認し、自主的かつ合理的な選択が阻害されると言えます。

したがって、「その他誤認されるおそれのある表示」にあたり、景表法違反となります。

 

過大な景品の提供の禁止

不当表示と並ぶ2つ目の禁止事項は、過大な景品の提供の禁止です。

ノベルティやおまけは、ただてくばられるので、消費者保護のためには推奨した方が良いのではと思われるかもしれませんが、行きすぎた景品に惑わされ、本来購入したについてじっくり考えるべき商品・サービスを景品目当てで購入してしまったり、実はおまけ込みの高額な値段で買わされたりする可能性があります。

そのため、法律は、景品としてあげることができるおまけの上限や総額を定めています。

おまけの規制としては、大きく分けると一般懸賞総付景品があります。

一般懸賞は、例えばこの商品を購入した人の中から抽選で旅行券をプレゼントするというキャンペーンのようにくじ等の偶然性、特定行為の優劣等によって景品類を提供することをいいます。

これとは逆に、来店者全員にプレゼント、というような景品の提供を、ベタ付、総付景品といいます。

それぞれに景品があげられる金額が決まっており、一般懸賞の場合は商品やサービスの値段に応じた上限と総額が決まっており、総付景品の場合は、価格の20パーセントまで、ただし価格が1000円以下であれば一律200円となっています。

「一般懸賞」で実際に摘発された事例としては、新車または中古車を購入した人の中から抽選で、ガソリン1,000リットル分の商品券(15万円相当)を1名に、ガソリン100リットル分の商品券(15,000円相当)を5名に、商品券(3,000円相当)を94名に提供したケースなどがあります。

この事例では、ガソリン1,000リットル分の商品券(15万円相当)がこの企画で提供できる景品類の最高額である10万円を超えているため、景表法違反となりました。

「総付景品」で実際に摘発された事例としては、53,200円の理美容器具を購入した人に対し、もれなく4,500円相当のコスメと8,600円相当のインテリアランプをプレゼントしたケースなどがあります。

この事例では、提供できる景品類の最高額は10,640円(取引価額53,200円×20%)なのに、プレゼントされたコスメとインテリアランプは合計13,100円であり最高額を超えるため、景表法違反となりました。

 

違反した時に受ける措置

行政庁から調査がはいり、違反が確認されたときには、是正命令と罰金の納付が命じられます。

事業者にとって怖いことは、罰金もさることながら、風評被害や消費者離れでしょう。

消費者庁からの是正命令はインターネット上で公開されてしまうので、あの会社は景表法違反だという世間からの冷たい視線を浴びることになります。

一時期、某ホテルのメニューがブランドを偽る優良表示誤認をしていたことでバッシングにつながりましたが、こういった事態は避けたいものです。

広告をしたり、キャンペーンで景品を配るときには気をつけましょう。

最後に

インターネット全盛期となり、誰でも手軽に広告がうてるようになったことに伴い、景表法へのコンプライアンス意識も高まってきていると言えるでしょう。

法律を守って、安心安全なマーケティング戦略を実行したいものですね。

 

2019/03/27 法務   auter_1
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