新東京行政書士事務所Blog

送金限度額は100万円まで?資金移動業について解説

1.初めに

IT技術の発展や規制緩和が少しづつ進むことで、銀行以外の事業者が決済サービスを提供する例が増えてきました。

もっとも、リアルマネーのみが利用されていた時代の資金移動業についての法規制は次第に時代に合わなくなってきていると言われています。

2018年5月に、安倍首相が未来投資会議で該当の規制をさらに見直すという発言をしており、今後の動向が注目されます。

では、資金移動業とはそもそもどのような業務で、どのような規制がかけられているのでしょうか?

 

2.資金移動業とは?

資金移動業とは、銀行等の金融機関以外のものが、100万円以下にかぎって、為替取引を業として営むことをいいます。

為替取引とは、「顧客から、隔地者間で直接現金を輸送せずに資金を移動する仕組みを利用して資金を移動することを内容とする依頼を受けて、これを引き受けること、又はこれを引き受けて遂行することをいう」と最高裁の判決により定義されています。

いわゆる銀行振り込みや決済の方法ですね。

従来為替取引は、銀行法により、銀行等認可を受けた預金取扱金融機関のみが行うことができることとなっていました。

現金を手渡すことなく銀行に依頼するのみで、大金を動かすことができますので、高度なセキュリティと資金移動を行う者の十分な信頼性が必要であるからです。

そのため、行政庁から認可され、定期的に報告監査を受けている金融機関のみに、事業主体が制限されていました。

しかし、インターネットの普及や多様なサービスの出現により、銀行法の規制のままでは何かと不都合が生じるようになって来ました。

そこで、立法された法律が資金決済に関する法(資金決済法)という法律です。

資金決済法により資金移動業が定められ、金融機関以外の事業者も資金の電子的移動を一部分行うことができるようになりました。

 

3.資金移動業者の要件や現行の規制は?

上述のように、金融機関以外の事業者にあまりにも大金を扱わせるわけにはいきませんし、行政庁からの監督が全くないと消費者保護にかけることになります。

そのため、資金決済法では資金移動業者の要件を以下のように定めています。

  • ・事前に内閣総理大臣から資金移動業者として登録を受けている
  • ・1回の送金100万円以下の少額取引のみ扱うことが出来る
  • ・銀行預金の開設やそれに伴う資金の貸付け事業は不可

となっています。

これだけでも十分規制があるようにみえますが、銀行の要件に比べるとかなり柔軟な要件になっています。

銀行は他の事業と兼業はできませんが、資金移動業者は、公益に反する事業などをのぞけば自由に兼業することが出来ます。

なお、上記要件に違反して、例えば無登録で資金移動業に従事すると、原則である銀行法にもどり、銀行法4条の無免許業者として罰則を受けますので、注意しましょう。

 

4.資金移動業の規制緩和

資金決済法の立法と資金移動業の創設により、従来よりは金融の自由化が進んだといえます。

しかし、現行の規制上、資金移動業者が行える為替取引は100万円以下の少額取引に限られますので、特にBtoBの分野での送金は、まだまだ従来型の銀行等の独占が続いているといえます。

昨今のインターネットの普及やフィンテックの台頭で、IT企業がぞくぞくと金融分野に参入しようとしています。

チャットサービス大手のLINEや、EC大手の楽天などの金融参入については、読者の方もご存知かと思います。

このような情勢をうけて、さらなるIT企業の金融分野への進出を後押しすべく、政府は資金移動業者への規制緩和を検討しています。

 例えば、送金サービスの上限の100万円という上限をひきあげたりする施策を含め、約3年ほどで改革を実行していく見込みのようです。
 

5.最後に

いかがでしたでしょうか。

本分野については今後も規制緩和が進むと同時にテクノロジーも使いやすく進展していくものと思われます。

まだまだブルーオーシャンの領域といえますので、参入について検討しても良いのではないでしょうか。

 

 

 

2019/04/08 許認可   auter_1
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